南大東島(みなみだいとうじま)は、沖縄本島からおよそ360km東の太平洋上に浮かぶ孤島。かつては無人島でしたが、明治時代に八丈島からの移民によって本格的に開拓が進みました。沖縄のあたたかさと八丈島の文化が交わる、どこか不思議で魅力的な島です。
南大東島の場所とアクセス
どこにあるの?地図で見る南大東島
沖縄本島(那覇)から東へおよそ360km。兄弟島の北大東島の南側に位置します。
沖縄本島からの行き方
沖縄本島から飛行機またはフェリーで行くことが可能です。残念ながら本土から南大東島への直行便がありませんので、那覇で乗り換える必要があります。詳細はアクセスページでご確認ください。
訪れるときの注意点(天候・便の本数)
・便数は多くありません。台風や高波の影響を受けやすく、欠航・遅延が起きることも。
・船(那覇〜南北大東)は本数が限られ、時化ると数日動かない場合もあります。
・離島慣れしていない方は、予備日を1日以上取ると安心。旅程は無理をしないのがコツです。
360度断崖絶壁!自然と絶景のコントラスト
島全体が崖に囲まれている地形
島の外周はぐるりと切り立った崖。白砂のビーチはなく、上から見下ろす深い群青の海がこの島の「日常」です。
港も独特で、崖の上の暮らしと海の仕事が隣り合う風景はここならでは。
日の丸展望台からの眺め
島内随一の展望スポット。畑と集落、外海のブルーが一望でき、夕刻は空と海のグラデーションが美しい時間帯。
風が強い日も多いので、帽子や小物の飛散にご注意を。
自然が残るからこその風景
人工的な「映え」より、素の自然が主役。満天の星、月明かりに照らされる海面、サトウキビを渡る風の音…。
派手さはないけれど、静かに心に残る光景に出会えます。
島をつくったのは八丈島の人々
開拓の歴史(八丈島からの移民)
無人島だった南大東島は、明治期に八丈島からの移民が中心となって開拓されました。
サトウキビ栽培や製糖産業が島の基盤を築き、現在の暮らしへとつながっています。
島に根づいた八丈文化(言葉・食・祭り)
言い回しや食文化、盆踊りや神事など、八丈由来の要素が今も息づいています。
沖縄と八丈の文化が重なり合う、オンリーワンの空気感が魅力。
沖縄だけど、どこか違う空気感
南大東島は沖縄にありながら、外見も価値観もどこか本土的・八丈的。
「沖縄っぽさ」と「大東らしさ」が同居する独特のバランスをお楽しみください。
南大東島といえばサトウキビ畑
見渡す限りサトウキビ畑
島の大部分をサトウキビ畑が占め、季節になると刈り取りの音が日常のBGMに。
まっすぐ伸びる道と果てしない畑のコントラストは、この島ならではの原風景です。
かつてのシュガートレインと今
製糖全盛期には、サトウキビを運ぶ軽便鉄道(シュガートレイン)が島内を走っていました。
現在は役目を終えましたが、その名残や展示で歴史を感じることができます。
ラム酒「グレイス・ラム(COR COR)」もこの島から
南大東島産サトウキビで仕込むラムを製造する「グレイス・ラム」。今回の映画「風のマジム」主役のモデルにもなった「伊波まじむ」のモデルになった金城社長が設立した会社。
風土を映した個性的な味わいで、島土産としても人気です。
人の温かさと、ゆっくり流れる時間
島の人口と暮らし
人口は小さく、顔が見えるコミュニティ。行事や助け合いが暮らしのベースにあります。
商店・飲食店は限られるため、必要なものは事前に調達して来島するのをお勧めします。
観光地化されていない魅力
「何もしない」を楽しめる人に向いた島。自然や人の営みを静かに味わう旅が似合います。
訪れる人との距離が近い島
小さな島だからこそ、島人との距離も近く、ふとした会話や小さな親切が思い出になります。
写真撮影やドローンはマナーを守って。畑や私有地への立ち入りは控えましょう。