2025年9月7日(日)、那覇市のジュンク堂書店で行われた映画『風のマジム』トークショーに参加してきました。登壇者は芳賀薫監督、グレイス・ラムの金城祐子社長(主人公・伊波まじむのモデル)、そしてプロデューサーの関さん。
映画制作の裏話や、南大東島・ラム酒づくりに込められた想いを直接聞けた貴重な時間でした。この記事では、ファン目線で感じたポイントとともに、当日の様子をレポートします。
映画と島の想いが重なった温かなトークショー
今回のトークショーは、映画『風のマジム』が単なるフィクションではなく、南大東島やラム酒づくりに生きる人々の現実と夢が重なった作品であることを改めて実感できる場でした。登壇者の言葉ひとつひとつから、映画の背景にある「人と地域の物語」が伝わってきました。
なぜ印象的だったのか
『風のマジム』は、沖縄・南大東島のサトウキビからラム酒を作るという夢を追いかけた女性の実話をベースにしています。作品に込められたリアリティは、実際に挑戦を続けた金城祐子社長の体験や、撮影を支えた地域の人々とのつながりに支えられていました。トークショーでは、その裏話を直接聞くことができ、映画への理解と共感がより深まりました。
トークショーで語られた裏話
金城祐子社長:子育てと夢の両立
金城社長は2001年、1歳の子どもを育てながら事業計画書を書き始め、2006年にグレイスラムを創業。
「酒造免許の取得や地域を巻き込むプロジェクトは本当に大変で、通常半年のところ私は1年半。途中で“やめます”と宣言したこともあります。でも、部長から『あなただからやれているんだよ。残り3か月、頑張って』と励まされて踏ん張れました」と語ります。
「褒められると伸びるタイプ(笑)」と笑顔で振り返る姿に、会場も和やかな空気に包まれました。
芳賀監督:お豆腐屋さんでの撮影秘話
劇中で登場する伊波家は、実際のお豆腐屋さんを舞台に撮影。
「最初は貸してもらえないと言われましたが、何度もお願いして、10人兄弟の家族会議まで開いてくださり、最終的に1か月半もお借りできました。豆腐作りまで教えていただきました」と監督。
リアルな生活感を映画に映し出せたのは、地域の温かい協力があったからこそでした。
金城社長:原田マハさんとの出会い
小説『風のマジム』の著者・原田マハさんとの出会いについて、金城社長は「女性経営者特集の記事がきっかけ。その後もずっと応援してくださり、小説にまで描いていただけたことは感謝しかありません」と振り返ります。
関プロデューサー:映画化までの長い道のり
「2014年に小説を紹介され、すぐに映画化を決めました。しかし実現までには時間がかかり、ようやく全国の皆さんに届けられることを嬉しく思います」と関さん。
映画館のない南大東島でも上映会を行い、島の人々にも作品を届けたいという想いが語られました。
最後のメッセージ
- 芳賀監督:「沖縄に根付く温かさや人とのつながりを、この映画を通して全国に届けたい」
- 金城社長:「南大東島のサトウキビでできたラム酒を日本全国・世界に広めたい。南大東島にもぜひ遊びに来てください」
- 関プロデューサー:「全国公開に加え、ぜひ南大東島でも上映会を実現したい」
ファンとして感じたこと
スクリーンの裏側には、挑戦を続ける人の物語と、それを支える地域の力がありました。トークショーに参加して、ただ映画を観るだけでは気づけない「生の熱量」に触れられたことは忘れられない体験です。
終演後にはサイン会も行われ、参加者は登壇者と直接言葉を交わすことができました。
さらに、参加者全員に南大東島特産のとうもろこしがプレゼントされるサプライズも。会場は最後まで温かい雰囲気に包まれ、映画公開への期待感が一層高まるイベントとなりました。
まとめ
那覇で行われた『風のマジム』トークショーは、監督・金城社長・関プロデューサーが語る裏話を通して、映画に込められた想いや南大東島の魅力を感じられるひとときでした。
スクリーンの外側にある物語を知ることで、作品への期待感がさらに高まりました。これから映画を観る方はもちろん、すでに鑑賞された方にとっても、新しい発見があったと思います。

