南大東島の空に飛ぶ白いバルーン
南大東島の朝、青い空を見上げると、ふわりと白い風船のようなものがゆっくり飛んでいくのを見かけることがあります。
「え?だれかがお祝いごとで風船を飛ばしたの?」と思うかもしれません。
でも、これは島の人たちだけでなく私たちの生活にとても大切な役割を持つ、気象観測用のバルーンなんです。
気象観測用のバルーン:ラジオゾンデ観測
「南大東地方気象台」では、毎日2回、気象観測「ラジオゾンデ」が行われています。
ラジオゾンデとは、上空の気象情報を収集するための気象観測機のことで、ゴム気球に気温センサー、湿度センサーを取り付けて地上から高度30km付近まで上昇、気温や湿度、風の向きなどをくわしく観測しています。
ラジオゾンデ観測とは
台風や前線に伴う大雨・強風などによって発生する気象災害を防止するための注意報・警報の発表や天気予報には、地上付近の気象現象だけではなく、大気の立体的な構造を知ることが必要です。
このため気象庁では、ラジオゾンデを用いて上空の大気を直接測定する高層気象観測を行っています。
引用:南大東島地方気象台ホームページ
この観測は、グリニッジ標準時(GMT)に合わせて、日本時間の8時30分と20時30分の1日2回行われています。日本国内では16地点、沖縄県では石垣島と南大東島の2ヶ所で行われています。
観測の一連の流れは気象庁のページで確認することができます。より詳しい情報がありますので、こちらで事前に確認してから実際に見るとよりわかりやすいと思います。
観測の一連の流れ(参照:南大東地方気象台ホームページ)
実際の様子を動画でチェック!
文字だけではなかなか伝わりにくいので、実際に南大東気象台で撮影した様子をご紹介します。
バルーンがふわっと浮かび上がり、青空に吸い込まれるように小さくなっていきます。この日はとてもいい天気できれいな青空でしたので、小さくなっても見ることができました。
この観測されたデータは、気象庁のサイトで見ることができます。朝バルーン観測を見て、後で気象庁のサイトをチェックしてみるのも面白いです。
気象データ検索(高層)
ちなみに時間になると特に打ち上げる合図があるわけでもないので、写真や動画に収めたい方は、早めに準備して見逃さないようにしてくださいね。
島ならではの風景
南大東島は、まわりがすべて海に囲まれた小さな島で特に高い建物もない。
だからこそ、真っ青な空と海のコントラストの中で、白い風船が映えるんです。
都会ではなかなか見られない、島ならではの特別な瞬間です。
真っ青に晴れた日の朝は、白い風船が映えて、小さくなってもその様子を見ることができるのは、島の朝ならではの美しい光景。観光で訪れたときは、ぜひ間近でご覧ください。
南大東島気象台へのアクセス
南大東気象台は島の中心部にあり、港や空港から車で5〜10分ほどで行けます。
建物の外観や空に飛んでいくバルーンの様子を外から見ることができます。
基本情報
住所 | 沖縄県島尻郡南大東村在所(ざいしょ)306 |
アクセス | 南大東空港から車で約10分 |
ウェブサイト | 南大東地方気象台 |
まとめ
南大東島の朝や夕方の空に浮かぶ白い風船は、気象台の大切なお仕事。私も島を訪れて初めて知りました。
島の天気や台風予報に役立ち、島の人たちだけでなく、私たちみんなの暮らしや旅の安全を守ってくれています。
観光で島を訪れるときは、ぜひ、気象台でご覧ください。白い風船が青空に吸い込まれるように消えていく姿は、ちょっと不思議で、楽しい体験になるはずです。
※本記事は私の体験をもとにしています。観光情報は変わる場合がありますので、最新情報は必ずご確認ください。